養生主篇(四)

 沢べにすむ野生のきじは、十歩あゆんでえさを見つけてついばみ、百歩あゆんで水にありついて飲むというありさまだが、それでもかごの中で飼われることを欲しようとはしない。

 籠の中では餌は十分で、元気は出るかもしれないが、一向に楽しくないからである。

 ── 荘子は、その頭のよさを買われ、国の使者から「王があなたと面会したい(何かの担当大臣に任命したい?)」というような旨を言われた。

 が、もちろん荘子は断った。そんな飾り物になるより、こうしてのんびり魚を釣っていたいよ、だったか、きれいな水に浮かばされるより、汚れた土水の中でどじょうのように自由でいたいよ、だったか、そんなようなニュアンスでやんわり王からの誘いを断っている。

 この 四 は、そんな荘子のことを歌ったんだろうと愚想する。