沢べにすむ野生の雉は、十歩あゆんで餌を見つけて啄み、百歩あゆんで水にありついて飲むというありさまだが、それでも籠の中で飼われることを欲しようとはしない。
籠の中では餌は十分で、元気は出るかもしれないが、一向に楽しくないからである。
── 荘子は、その頭のよさを買われ、国の使者から「王があなたと面会したい(何かの担当大臣に任命したい?)」というような旨を言われた。
が、もちろん荘子は断った。そんな飾り物になるより、こうしてのんびり魚を釣っていたいよ、だったか、きれいな水に浮かばされるより、汚れた土水の中で鰌のように自由でいたいよ、だったか、そんなようなニュアンスでやんわり王からの誘いを断っている。
この 四 は、そんな荘子のことを歌ったんだろうと愚想する。