呼吸を見つめる…

邪悪なものは、在る。
それは認める。
この世は腐った。腐敗した。
それも認める。
徳… ソクラテス、荘子たちの云っていた徳… ブッダはどうだったか…
もちまえ・はたらき。
あったもの、備わっていたもの。
それらはヤスリで丹念に、丁寧に… 幾世紀もの時間をかけて削がれてしまった… と言っていいかな。

空気、常識。観念、想念。
暗い、黒いもの…
この青い、丸い地球の、大気圏内が覆われる。
地面から、天空から。
地から上がる湿気、空から降る霜… 靄、
じめじめ、じわじわ、
とりわけ地面から。
地の下、土の中から…
忌むべき、おぞましきものが。
捏造した敵ではなく、実在するものが。
敵、としか言い得ないもの、
邪悪、として言い得ぬものが。

こっちのできること、
この「私」というもののできること、
表面、おもてむきは、何もしない。
「私」は何もしない。
するべきことだけを、する。
目に見えないものかもしれない。
でも、する。
だからこそ、する。
するべきことを、する。

そういう存在、
敵対してしまう存在があるということ、
それ以前、その前は…
それも未来だ、過去も未来も同じことだ。

それからも、それまでもそうだったように
今できることをする。することをする。
それだけだ、
それが特に必要と思えて…
感じられて。
「私」にとっての「ほんとう」が。