明るいだけではダメ

 昨日、ラジオで五木寛之が言っていた、「泣く人が少なくなっているみたいですね。笑うことばかりがいい、ってなって、でも泣くことって大切なんですよ。明るいばっかりじゃ、限界がある…」というようなことを。

 この人は「自殺に対してとても興味がある、って言ったらおかしいですけど、関心があるんです」とも、だいぶ前に言っていた。

 とにかく明るさが良し。悲しんだり、嘆いたり、「後ろ向き」ダメ。そんな風潮、そんな世の中の流れ、人の流れに、異を唱える、唱えたい人なんだろうと思う。そうして、活動をしてきたのだと思う。

 この点、まったく同感、というか同じ心地がする。ただ、五木寛之は、何やら先生然としていて、ちょっと取っつきにくい感じがする。いつも笑顔で、話し方も穏やかで、何か「完成された人間」みたいに見える。

 もうちょっと、くだけて、フンドシ一丁で笑っているような姿も見たい。