冬のうちは、部屋にモノが多くあると、空間が埋められる気がして、寒気も減るような気がした。
だが夏は、逆になる。モノがあると、空間が埋まってしまって、よけい暑苦しくなる気がする。
なんとも、勝手なものだ。
季節は何も考えず、何を計らうわけでもなく、ただ季節として巡ってくるだけなのに。
まったく、無思考、無思慮ほど、素敵なことはない。
人間のそれではなく、自然そのもののそれだ。
人間も自然の一部であるなら、そうなれないものだろうか。
どうして人間だけ、なんだか、こうなんだろう。
何も考えない空のように、何も考えない山のように、
海、… 人間、オレか、そんなふうになれないものだろうか。
そのままに、何も考えず、いられないものだろうか。
人間… オレ? が「自然」っていうと、不自然になるような。
吉田拓郎も、そんな歌、歌ってたっけ。
なんとか、ならんかな。←これがすでに、不自然なんだよナ。
そう、ニンゲンも、空や海、山や木々、虫や鳥、獣… モノという、形あるモノという、それだけのモノであったはず、モノであるはずなのに。
モノであることには、違いないはずなのに。