またセリーヌのことを書いてしまう。
この人の作品、その最大の魅力。よくもここまで、罵る言葉が出てくるものだと感心させられる、そして不本意にも笑ってしまうところ… ほんとうに、たまらなく可笑しいのだ。いや、これはほんとに凄いよ、こんな笑える、笑わせられるということは。
この世への呪詛、怒りが、その根柢にある、どうしても。セリーヌはどんな時代に生きても、これを繰り返していただろう。なぜならそれは人間に対する怒りであるからだ。
椎名麟三の云う通り、セリーヌは人間を愛しすぎていた。そしてどんな時代も、人間は変わらない…
しかしこれほど罵れるというのは、もう笑うしかない。その情熱よ。
だがきっと、これを笑える人間は少ないのだ。
しかし… 怒り、憎悪…、大切なものだ!