善い・悪い、正しい・邪(よこしま)。
あるんだな、と確認した。分かったよ。
対比するもの、対立するもの… 対極にあるもの、
それらはほんとうには無いんだが。
その前か後ろか、進化か退化かわからんが、
時間的なもの、観念的なもの、
それらを越えたもの、または全然越えないもの、
そこがどうもほんとうであると分かってはいたが。
変化はする。不確かであり、確かなことに。
終わりがあるのは、始まったからで…
倫理、道徳は人間がつくったものだが
宇宙の法則のようなもの、それは、とてもじゃないが人智の及ぶものじゃない
で、回っているんだなぁ! と。
何が云いたかったんだっけ?
ああ、正邪、善悪、か。
うん、ある。
それが今、ごちゃごちゃになってる…
そんなもの、どっかに埋もれ切った。
宝さがしだ、鬼も出るし、蛇も出る。
「私」の世界が終われば、世界が終わる。
世界はあり続けようけれど、それにしたって終わるものだ。
ひとりひとりの世界によって、世界は成り立って…
何だっけ?
ああ、倫理、道徳か。
人間はいかに生きるべきか、って。
大切なことだったね、それは。
それぞれの自己の内に埋まってる、宝もんが。
いいんだ、別に。道徳とか倫理とか。
それより、もっとでっかい、ドでかいもんがある…
でかいなんてもんじゃない、形容なんかできないよ。
で、それは、そいつは、一個一個の人間の中にあるってことだ…
このちっぽけなサ、ちっぽけすぎる個個、個々の中にある、ってサ。
それに気づく… そのために、この生を生きる…
人間の智慧って、そういうもんらしいよ。