頭が痛くなり|めまい《・・・》がする感じがし、やがて腰が痛くなり心臓が弱ってるような動きを感じ── こりゃまいった、死期も近いと神妙な気分になったのがいつだったけ? 二、三週間前か。
よく寝て、ねることしかできない感もあったが、まわりから見ればチャンと歩いていると見えたろうが本人は頭の中が一定に落ち着かず、したがってふらふらする感覚で不安なままに歩いてスーパーまで行き… 帰ってきて適当に料理をし… 疲れ果てて布団にくたばり… それでも足りないので何か書き本を読み、を繰り返した二、三週間。
これだけガタが来ると、遠出をするのも不安になる。ほんとは今日からツレアイの実家に一緒に行く予定だったが。
一進一退をしばらく繰り返すだろう、一昨日は良く、昨日はダメで、今日はその中間地点というふうに。
自分の場合、「左半身」に何かある。片頭痛も腰も足も目のピクピクも、変調は必ず左半身に限られる、集中する。
それはそれとして、たとえば腰が痛くなったとして、その痛い箇所、腰だけに意識が捉われないようにする… 頭が痛くなったとして、頭だけに意識が捉われないようにする。その箇所だけで身体が出来上がっているわけでないから、|全体《・・》を自分で見るように、この身体全体を意識する…
頭の天辺から足の裏までがこの身体。痛みが一箇所から来ているとしても、それは一箇所にすぎない。原因は他にあって、痛い一箇所はそこからたまたま決壊した。パンパンになる、過剰になった場所はそこではない、原因はそこではない。
そんなふうに身体を観じてみる… すると痛みも分散するというか、落ち着く感じがした。
「自分は顔が大きい」と思って鏡を見つめると、実際以上に顔が大きく見えるように(そりゃそうだ、そこに注意が集中するんだから)、悪いところにばかり意識が捉われるとあまりいいことはない。
しかし今回はまいった、「頭」に来るとは思わなかった! しかしこれも首の影響もあるだろうし姿勢の影響、生活スタイルの影響、いろんな影響が影響し合ってる、このことも強く感じられた、これがもっとも確かなことだった、答と原因は一つだけではないということが。
そして時間。これが何よりの〈医者〉であるような…。