枠組み

 親は子に、定職に就くよう望む。なるべくイイ企業に。
 親は子に、なるべくイイ学校に行かせようと望む。
 だが、よく鏡を見るがいい。
 その親は、自分の安心のために、子にそれを望むのだ。

 そして言う、勝ち誇ったように言う、「あなたのため」。
 自己欺瞞は、もうやめよ。
 自分のために、すぎないのだ。
 そのイイは、どこから取って付けたイイなのかね?
 手放せ、手放せ。
 解放せよ。自己を解放せよ!

 いいダンナであれとか、イイ奥様であれとか
 本人まで、そうあろうとして、欺瞞を重ねていく
 そのイイは、だれのためのイイなのかね?

 フレームがないと不安だって? ワクに、捉われていたいんだって?
 まるで病院へ行って、病名を付けられて安心するようなものだ。
 不安も安心も、自分でつくるものだろう?
 あたかも愛と憎しみが、自分でつくるものであるように。

 手放せ、手放せ。
 手放せ、手放せ!