落ち着くまでの過程(11)

 うん? 私はもう、落ち着いているのかもしれない。だとしたら、この手記、この(11)で終わる。私は、自分が、あの最悪なような夜、昨日の夜だが、あの夜にどんなふうな気持ちの変化、軌道を辿って、落ち着いたのかを書くのが主眼で、こんなタイトルで書き始めたのだ。

 そして自己分析── これはどうも、まだ中途半端と思う。いや、この作業は永遠に、ではなく死ぬまで続くのだ。死ぬまでが、私にとっての永遠だ。

 落ち着いたから、ここでこれは終わろう。最後に、今朝のことを書いて。

 そう、これを書き始めていた今朝、彼女が階段から降りてきて、ふっと私を横目で見たのだ。そしてそのまま台所の方へ向って歩こうとした。だが次の瞬間、「あれ!起きてたの、びっくりしたぁ」と言うのだった。私も驚いて、心から笑った。

 そんなこんなで、彼女も笑い、昨夜の無言の一室、同じ部屋にいながら何も喋らず、気まずい、奇妙な緊張に張り詰めたような空気から、私は── そしてたぶん彼女も、救われたと思ったのだった。