(14)離婚のこと

 離婚に憧れていた時期がある。
 結婚に憧れていた時の気持ちより、離婚に憧れていた時の気持ちの方が強い。妙な話だが。

 まだ離婚する前、親しい人に、「かめくん、離婚はしない方がいい。」と言われた。その人自身、離婚していた。
 またある世話になった人からは、「一度、離れて暮らすのもいいんじゃないか。」と言われた。その人は、今奥さんと別居している。

 そしてぼく自身は、「離婚したい」という人に、「離婚しても、いい関係を続けてほしい」と強く願いつつ、言う人になった。
 自分で、好きになった人だろ。一緒に暮らせる人なんて、そんなにいるもんじゃないよ。おたがいに、不幸になっちゃいけない、 etc .…

 結婚も離婚も、実にたいしたことではない。要は、肝心なのは、関係なのだから。
 いろんな離婚の理由があるだろうけれど、重きを置くべきは、「そういう相手を好きになった自分」だ。

 世間体とか法律とか離婚届など、まったくたいしたものではない。離婚して、不幸になってはいけない。そもそも、結婚がそんなに幸せか?
 子どもがいて、養育費を送る場合でも、「相手のため」とか「子どものため」の意識より、「自分へのオトシマエ」的な面が強い。(あ、ぼくの場合です)

 離婚して、それぞれ別々になって生きてく中で、いろんなことを考え、それなりに苦労したりして、自分のおっきな糧になるよう、できるなら、離婚、まったく、いいではないか。