(16)足

「さて、『愛』『結婚』『恋愛』という類いの続きだが、きみはどう思うね。」
「うん、いずれにしても、抽象的だね。概念だね。これは、個人個人が抱えて考えていく問題でしかない。」

「うむ。しかし、たとえば結婚、ぼくは、これには、さしてこだわりがないのだ。だが、どうも女性は、結婚というものを、どこか重んじているように思える。これは、なぜなのだと思う?」
「うーん。」
「男性も、結婚にこだわっているのだろうか?」
「うーん、これについては、機会を改めて話し合おう。かなりの長文になるよ。」

「そうだな、もう朝陽が昇っている。風呂にも入ったほうがいい。女と男については、よく身体を洗って、サッパリしてから、話し合ったほうがいい。」
「意味深だね。まぁ確かに、今日も仕事があるわけだからね。自分の足を、きれいにしよう。」
「そうさ。それが肝要だよ。自分の足を、きれいにしよう。」