いつだったか、夏の真っ盛り、日中の太陽も真っ盛り、七月のお昼前だったか。
三条通りを歩いている時、前方から来て、すれ違った尼さん。
いつかの記事にも書いたが、何とも凛とした姿で、あのド暑い中を自然に、とても自然に涼し気に歩いていた尼さん。
すれ違いざま、歯を見せてクスッと笑って、通り過ぎて行った袈裟姿。
その後、もうすれ違うこともなく。
この一夏の、いい想い出だ。たぶん、とことん自然体の人だった。私は、ただその前方から見えた立ち姿、「凛として」としか形容できない雰囲気、オーラを勝手に感じて、圧倒されていた。
その日、私は朝からこの「ブルースカイブルー」のメロディ、歌詞が頭から離れず、現実の夏の空もまさにブルースカイで、白い雲は空の青さを引き立てるばかり。
そんな時、路上であの尼さんとすれ違って。
「こんな暑さ、何でもないわよ」とさえ思わない(ほんとに思っていなかったと思う、そう思うことさえないという)、あの暑い中であんなふうに凛として歩いている人は、稀有だったと思う。
もう二度とすれ違うことはないだろう予感はしていた。うん、もう二度とすれ違うまい。
何としても、綺麗な尼さんだった。
あんな一瞬のすれ違いができただけで、よかった。
というわけで、この今日という9月18日、秋のひとりの音楽鑑賞、終ります。