ある日、ミサイルが飛んできた。
ビルが壊れ、家屋は燃え、耳をつんざく大音響。
子どもは恐怖に震え泣き、老婆は車椅子にこごんで打ち震えている。
狂気の兵隊がやって来る、一度解き放たれた狂気は、戻ろうとすることを知ろうともせず、くり返しくり返し狂気に魂を喰われ続ける。
邪心を最大のご馳走とする狂気、狂気を至福とする魔心、際限なく、限界を知らず、暗黒のままに大地を覆おうとする。
「コクレンって、何のためにあったの?」
「ほかの国から、どうしてここに武器が来るの?」
「ギユウヘイとかいって、なぜ戦いに来るの?」
「地球上に、いっぱい人、いるのに、どうして止められないの?」
日本でいえば小学高学年~中学生位の子ども達が、大人に訊いている。
大人達は、何も答えられなかった。