まにあったか?

 まにあってないか? なんて、どーでもよかったのである。(しごとの話の続きね)
 そんなことより、会社のロッカーの鍵をなくしたことのショックが、今日の私の80%を占めていたからである。

 家を出る前、いつもGパンのポッケを私は確認している。
 何が入ってるかな?と(べつに何も入ってないんだけど)、まさぐる。

 この手触りは自転車の鍵、これは家の鍵…
 ん? 何かが足りない。
 肝心なものが!
 会社のロッカー(更衣室)の鍵の手触りがない!!

 ダイニングキッチンのフローリング、玄関の下駄箱の上…
 よく見ても、無い。というか、早く行かないと遅刻する。

 げっ、オレ今日私服で作業かよ。
 いや、待て、昨日ロッカーにそのままつけっ放しの可能性もある。
 だが、現地(会社)到着してロッカーを見ても、ついてなかった。
 たまたま着替えていた上司が、「なに、鍵なくした? やばいなぁ、カメちゃん」

 このロッカー、単体ではなく、3連(3つがつながってるロッカー)式で、このおいらが弁償しなくてはならないのだった。
 しかも両隣りの人にも迷惑がかかるし、、。両隣り、誰だか知らないけど。

 やりましたよ、ええ、Gパンと長T姿で、仕事を。
 仕事中も、たまにフッと、う~、どこでなくしたんだろ、と考えたりしながら。

 どっかの機械が壊れたらしく、長いことラインが止まっていた時間があり、私も、そのおかげで順調に仕事をこなせた。

 深夜3時帰宅。フクが玄関で待っていてくれる。
 昨夜と同じようにナデナデしてあげて、昨夜と同じようにGパンを脱ぎ、ダイニングキッチンのテーブルの椅子にGパンをかける。

 ん? もしや・・・
 ありました。ありましたよ、その椅子の上に、鍵が。
 私はいつもGパンの股のところを「く」の字にして椅子の背もたれにかける。
 下を向いたGパンのポッケから、昨日たまたま椅子の上に落ちて、着地していたのですね。

 やれやれ。