昨夜のこと

 昨夜は、もう寝なきゃと思っていても、結局眠れず、結局朝まで起きていたのだった。
 身体は疲れてるはずなのに、(実際疲れていると思える)それでも、まだまだ元気で大丈夫であったようだ。
 まだまだ私は健康である。

 しかしビールが飲めないというのは、びっくりした。
 身体が受けつけないのだ。
 あの美味しいヱビスの缶を開けて、一口飲もうとしたら、飲めなかった。身体が、「要らない」と云ったのだ。

 で、ワインのコルクをあけた。
 ダイニングキッチンの冷蔵庫の隣りの壁に座ってもたれて、好きな音楽聴いて、ワインを飲みながら小さな声で歌っていた。(キッチン・ドランカーかね)

 キッチンマットには猫が座って、私を見ていた。
 歌を歌ったら、すっきりした。
 病は気から、か。
 さぁ寝ようとしたが、今度はすっきりしすぎて眠れない。

 こんな文章の出だしから始まって…。
 ひとつの物語が頭の中を飛んでいく。
 いろんな言葉が、明確な形をもって頭の中を飛んでいく。

 布団の中で、私は無敵の天才作家と化している。
 自由な空想に、いつのまにか大きな羽が付いているのだ。

 だが起き上がってそれをパソコンに記そうとは思わない。
 いろんな思いへ、無重力状態の頭で飛んでいるときが、シアワセだから。
 そのまま朝になり、そのまま仕事に行く。

 さて、今晩。
 昨夜あけたワイン、よく見ると半分位がなくなっていた。
 ワインボトル専用のフタ(あるんです、100円ショップに)は付いているけれど、酸化しちゃうとイケナイから飲もう。←こじつけ

 最近、職場にいる同い年の独身女性とよく話す。
 私はけっこう一人で黙々と仕事ができる環境に、物理的にある。
 彼女もけっこうヒマで、たまに手伝いに来てくれる。

「去年のボジョレー、飲みました?」から始まって、お酒の話。「おととしのが、感動的に美味しかった。」
 年々、美味しくなっている気がする、と言っていた。たしかに。

 眠れない時、やはり彼女もクーッといくそうだ。500のビール1缶でちょうどよく眠れるとか。
 3缶飲むと、目が冴えるとか。うーむ。3缶は飲めないな。すごいナ。

 こないだ一緒に飲んだ還暦近いおじさんも、強かった。
 かつてよく一緒に飲んだ、「誰かいい医者知りませんか」と言っていた、ほとんどアル中のような医者も、ほとんど底なしだった。

 なんで私のまわりには、こんな強者が多いのかな。
 そもそも何ゆえお酒を飲むのか?
 タイヘンなんだろうナ。

 考えはじめると、またグラスにワインを注いでいる。
 880円。
 シアワセ? 安いモンです。