さて、きみは、わたしが分かったかね。
── どっちが、わたしだったっけ。
うん。どっちだったっけね。
きみとわたしが、たがいに、なくてはならない存在であることは分かったよ。
ほう。書いて良かったな。毒を、抜いたわけか。
文学とは、毒を吐くこと、と、えらい作家先生が言っていたよ。
ふん。文学なんかやってる気もなかろうに。都合のいいことばかり、取り入れて…。読まされた方は、たまったもんじゃないね。読む人がいればの話だが。
それに、毒を吐くにも、品というものがあるだろう。あまり、よろしくないよ、きみ。
… ま、いっか。好きなこと書いて…あとは、もう。
さあ、よく眠れるといいね。
そうだ、まったく、そうだ。春は近いけど、朝が遠くてね。
おやすみ。
おやすみ…