その後、私との対話は不成立に終わった。「決まっていたところへ行く」それだけなんだ、何も意志も取り決めも、必要もなく、私が決めるなど一つもない。ここに至ったことで、私はひどく満足したらしい。まもなく、眠りに落ちてしまった。
私は、私に緊張を強いているらしい。横になっていると、物音がした。誰もいない部屋で。もう一度耳を澄ますと、私の腹の音だった。また音がする。身体を強張らせ、また耳を澄ます。私の、喉から出る風の音だった。
私に聞こえる音は、私にしか聞こえない音だ。他の誰も、この音を聞けない。私は私から発せられる、私の意志とは無関係に存在するこの身体の音しか、聞こえない。
私の動悸は速くなる。息も鼻では狭く、口を開ける。私は、この音が恐ろしい。だって誰にも聞こえない音なんだから。
私はやがて心臓の音を聞く。口を開け、どこか一点を見つめる。何も見ていない。私の見ているものは、見えないものだ。私は、そいつに他愛もなく操られる。
おまえ、それは私だよ。おまえ、それは私だよ。
私に私が言う。私に、私が言う。今初めて出会ったとでもいうふうに!
おまえ、ここにいるんだね。おまえ、ここにいるんだね。
なんだか苦しそうだな。まるでほんとに苦しがってるみたいだぞ。
おい、気持ち悪いな。ああ、ずっとだよ。嘘つけ。
おまえ、ひとりだな。間違いないな? おい。おまえ、ひとりか。
ほんとうにひとりか? 嘘つきが。自己欺瞞の塊が。
ばらばらになって、ちりぢりに飛び散るがいいよ。ひとつ、ふたつ、それっぽっちじゃ足りないんだよ。もともとのおまえ、元々の、元々の、その前の、それよりもっと前の、おまえが浮かんでいるよ。
おまえはそれをつかめない。それだのに、つかもうつかもうとしてさ。いや、そんな努力もしてこなかったね。おまえはいつも、逃げるばかりだ。そいつはおまえを襲おうともしないのに。
おまえはいつも逃げてばかりだ。そしてニタリと笑うのだ。眉間に皺を寄せ、複雑怪奇な顔をして。
衝動! おまえは衝動の虜になって、あらゆるものを破壊する。おまえ以外に、音を立てるものを。おまえ以外に聞こえるものを、おまえは許せなくなって。